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zoom RSS 【感想】HARRY POTTER and the Goblet of Fire

<<   作成日時 : 2003/01/01 00:00   >>

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HARRY POTTER and the Goblet of Fire
(邦題:ハリーポッターと炎のゴブレット)


Harry Potter and the Goblet of Fire (Celebratory Edition)
Bloomsbury Publishing PLC
J. K. Rowling
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2000年/イギリス/Bloomsbury Publishing Plc
著者:Joanne Rowling
表紙イラスト:Giles Greenfield





お気に入り度 ☆☆☆☆☆


story(introduction)

4年生になる前の夏休みの明け方近く。Harryは額の傷に酷い激痛を感じて目がさめた。目が覚める直前まで見ていたVoldemortの夢・・・そして、今までVoldemortに対峙した時しか起こらなかった額の傷の激痛・・・。Harryは言い知れぬ不安を覚え、今は無実の罪で逃亡中であるGodfaterに手紙を書いた。
その日の朝、親友のRonの母親であるMrs.WeasleyからDursleyおじさん宛ての手紙が届く。

---Quidditch World Cupの試合観戦に、ぜひHarryを一緒に連れて行きたい---

その夢のような誘いに、Harryは今朝の不安も忘れ、喜びに浸る。
このときのHarryにはまだ、これからの1年がどのようなものになるか、予想がつくべくもなかった---


まじめな感想

4冊を続けて読んできて、ここまで次の巻が早く読みたいと思ったのは、正直この本が初めてです。
1・2巻まではほぼ完全にストーリー自体が1冊で完結していましたし、3巻もハッピーエンドとはいえないとはいえ、とりあえずその巻における一番の悪役は退治されていたので、次の巻を読み進めるにあたっては、また新しい気持ちで読み始めることが出来たのです。
しかし、この4巻の終わりには、文字に書かれていないとはいえ"To be continued"という一文が見えた気がしました。

本自体の分厚さからも分かるとおり(3巻までよりフォントが大きくなっていたとはいえ、それでも1巻の2倍はある厚さ)、4巻の内容はとても濃いです。
3巻までの倣いのとおり、物語は夏休みから始まりますが、Hogwartsへ旅立つ前に、重要なストーリーが今回はちりばめられています。2・3巻までと違い、1巻のように読者にとって知らない登場人物から始められる冒頭も、物語が大きく動くことを予感させます。
そして物語全体では、3巻までよりもさらに、シリアス部とコメディ部の色分けがはっきりとなされています。
だんだんとどちらかに(コメディからシリアス、またはその逆)流れていくというよりは、交互に爆発をさせている感じです。

今回のストーリーの核は、もちろんVoldemortの復活です。
Harryは1巻で真実への歩みを一歩踏み出し、2巻で周りを取り巻く環境の考え方を理解し、3巻で過去と真摯に対面しました。この4巻でVoldemortが復活するであろうことは、そのこれまでの話の流れから言っても、十分に想像に足ることでした。
ですが、Voldemortが復活するというだけの物語ならば、ここまでの量を要する物語にはなりません。この1冊には、その核から外れた、しかしストーリー全体として重要な出来事が多く組み込まれているのです。

そのうちのひとつに挙げられるのが、Ronとの確執です。
Ronはこの3年間Harryの唯一無二といえる大親友であり(もちろんHermioneも大切な親友ですが、同性という意味でもRonがHarryにとって重要な意味を持った存在であることは、文中でHarry自身も言及している)、これまでお互いがお互いを命をかけて守ろうとするほど、大切にしてきました。
しかし今回、Harryが一番Ronに信じてもらいたかったときに、彼はHarryを信じることが出来ません。というより、Hermioneの言ったとおり、信じてはいるものの、それ以前にHarryへの嫉妬心が抑えられなくなってしまったのです。Harryにとってこれはとても大きな痛手であり、裏切られたような気持ちからかRonに怒りを抱きました。
読み進めていくと、始めのうちはRonに対して「なぜHarryを信じて支えてあげないんだ」という気持ちが湧いてきますが、Hermioneの言葉を読んだりRonの行動を垣間見るうちに、Ronの行動そのものが逆に腑に落ちてきます。
なぜなら、私も含め、こういった感情を友人に対して持つことは、誰しもありえることだからです。
Ronはこの3年間、有名で何事にも人の目をひいてしまうHarryに羨望の気持ちを持ちながら、強い友情の力でもってそれをひた隠してきました。相手が友人であっても、嫉妬心を持つことは責められないことです。友人だからこそ、他人からも自分自身も比較する機会が多くなってしまい、余計にコンプレックスを刺激されるものなのです。その対象は家であったり、能力であったり、性格であったりします。Harry自身も、Ronの家に招かれたときにRonに対してうらやましいという気持ちを感じていましたし、2巻でRonたちからの手紙が届かなかったときには「自分のことなど忘れてしまっているのではないか」などといった被害妄想に駆られてしまっています。
どんなに深くつながった友情でも、必ず切れないということはないのです。

Ronは、嫉妬心から怒りの態度を表してしまい、その態度を覆すことが出来ません。しかし、同時にHarryへの深い友情を捨てることが出来ず、夜中に一人でいなくなったHarryを心配してしまったり、授業中に思わず気になって視線を投げたりします。
Harry自身も、自分に非がないことで責められた怒りから、Ronに対して一歩歩み寄ることも出来なくなりますが、心の中ではRonと一緒であった日々に思いをはせます。
子供の頃におこる---大人であってもあることかもしれませんが---こうした喧嘩は時折あるものであり、そして下手にどちらかに非がある場合の喧嘩よりも、こじれてしまうものです。
なぜなら、自分が何か悪いことをしたならば誤るきっかけもありますが、そういった言うに言われぬ嫉妬心やコンプレックスから起こる怒りや憎しみは、その非を認めることは自分自身のプライドそのものを傷つける結果となるからです。
仲を取り持とうとしたHermioneが、二人が仲直りをしたときに泣いてしまったのも、それだけ問題の深さを本当に理解していたからでしょう。
そういう意味で、最終的に自分の非を認めたRon(というよりは、自分のプライドよりもHarryを心配する気持ちのほうが上回ったのでしょうが)と、その謝罪をさえぎってRonを許したHarryは、本当に勇気があったといえるでしょう。

さて、物語の核、Voldemortの復活ですが・・・この内容については、なかなかコメントをしにくい部分があります。
言いたいことといえば、本を読んでいる間に感じたこと全てなのですが、それを文にするにはあまりにスペースを取りすぎる気がします。
Voldemortの「真の」サポーターの正体。the Goblet of FireにHarryの名前が入れられた真の目的。そして、Death Eaterたちの正体・・・。このストーリー自体は3巻までと同様にまったく予測のつかない流れであり、もう「とにかく読め!」の一言に尽きます。

ただ、その流れの中で一番に印象に残ったことは、なによりもDumbledoreの厳しさです。Harryの気持ちは文中で「DumbledoreがVoldemortの恐れる唯一の人物であるということを、初めて本気で理解した」と表されていますが、私はそれ以上に、「正しいことを見極める力を持った人物」という意味での恐ろしさを感じました。
Dumbledoreは、正しいと思ったことのためなら、小手先の小さな優しさなどはかなぐり捨てることを厭わないようです。
傷ついたHarryをHospital Wingに連れて行こうとするMcGonagallを止め、「彼はここにいなければならない。理解する必要があるのだ。理解は受容への始めの一歩であり、そして受容あってこそ立ち直ることができるのだ」と言った台詞。そして、Harryを休ませようとするSiriusを制してHarryに向けて言った、「もし、君に安らかな眠りと一時的にこの問題から離れることを許すことで、本当に君の助けになるというのであれば、私はそうしただろう。だが、私にはわかっているのだ。一時的に痛みを取り除くことは、後々再びその痛みを感じたときに、もっと状況を悪くする。君はこれまで、私の想像を越えた勇気を表してきてくれた。その勇気を、もう一度見せてくれないか。何が起こったのか話してくれ」という台詞。
どちらも、これまでの3巻でHarryに対峙したDumbledoreと異なり、厳しさにあふれています。前巻までは、Harryの勇気を認めつつも、それでもDumbledoreはHarryをあくまで守る対象として接してきました。しかしここで、DumbledoreはHarryへのその扱いが何の解決にもならないことを悟っているのです。だからこそ、普段厳しくても、酷い怪我を負ったHarryを目前にしては冷静さを失ってしまうSiriusやMcGonagallと異なり、Dumbledoreは冷徹とも言える冷静さを表したのではないでしょうか。
もっとも、ここでDumbledoreを厳しい人間だとは感じても酷い人間だとは感じないのは、それまでもDumbleoreの描写がしっかりしたものであったからでしょう。
3巻で、Quidditchの試合中にHarryがほうきから落ちた際にDementorに対して見せた怒り。この巻で、Hagridの小屋を自ら訪れて彼を励ます様子。HarryからCedricの両親について聞かれたときに、かすかに声を震わせた様子。Harryから説明を聞いた後、Harryを休ませようとした様子。
そして、その日の夜中にFudgeに対して見せた---特に、FudgeがHarryの言葉を信じていない旨の言葉をにおわせたときに見せた---怒り。
普段、お茶目な老人といった態度を見せるがゆえに、そこの見えない部分があるDumbledoreですが、数少ない感情の発露に、嘘のない優しさと正義感が見えるのです。
ただひとつ・・・どうしても気になるのが・・・Harryが、Voldemortの復活に自分の血が使われたところの説明をしたくだりです。Dumbledoreは、なぜわざわざ急いで傷を確認する必要があったのでしょう?そして、Harryが(見間違いだと思った)Dumbledoreの目の中に見た、"gleam of something like triumph"・・・「勝利のような光(感情の発露?)」・・・とは、どういうことなのでしょう?
まさか、ここまできてDumbledoreがHarryの敵側にまわることは絶対にないと思うので、このこと自体がVoldemortにとって致命的な落とし穴となるということを意味しているのでしょうか?
後々につながる重要な伏線のように思えて、とても気になります。

さて、はじめにも書いたとおり、この1冊を読み終わると、続きが待ちきれなくなります。Voldemortの復活は、Ministry of MagicとHogwartsとの関係すら変えてしまいました。
HarryのHogwartsでの5年目の生活はどうなるのでしょうか?
考えると、夜も眠れなくなりそうです。


雑記的感想

・Godfather2
3巻で行く当てのない逃亡生活を始めたように見えたSiriusでしたが、きちんとHarryと定期的に連絡をとっていて(実はDumbledoreとも連絡をとっていて)、かなりほっとしました。
Siriusは、今のHarryにとって、(血はつながってはいないとはいえ)唯一の肉親といってもいい存在です。Harryが始めて、甘えることの出来た相手だと思います。
それは、Siriusの手紙に「もう!まるで僕が目をつぶって歩いていて、壁にそのままぶつかるみたいな言い方じゃないか!」というように、Siriusの忠告に軽く悪態をつく様子からもうかがえます。親がそうであるように、多少わがままを言っても自分を愛してくれる存在であるのだと、初めて自信をもって言える相手にめぐり合えたのです。
それにしても、洞穴でねずみを食べて生きているとは・・・Dumbledoreも、その洞窟を紹介したなら、なんとか食べ物を送るくらいのことをしてあげようよ(^_^;)。このあたりのくだりが、何気に冒頭のDudleyのダイエットの話とつながっていて面白いです。
しかし、最初に再会できたときは「あの結婚式の写真より若いくらいだ」と書かれたくらいきれいになったのに、ほぼ速攻で、また髪がぼーぼーで痩せこけたワイルドおじさんに逆戻り・・・Ronのコメントは正しいよ・・・本当に、Harryを愛しているんだねぇ。

・Harryの恋の行方3
何度も言っていることですが・・・いかぞは、Ginnyが気に入っているんですが・・・
でも、3巻で予想したとおり、HarryはChoに恋をしてしまいました(^_^;)。
しかも、本人自分で自分の気持ちに気づいていないし(笑)
でもそのChoが好き(らしい)Cedricが自分の目の前で死んでしまったことで、HarryはもうChoに対して積極的に動くことはないんだろうなぁ・・・。
そしてGinny・・・The Yule Ballのお誘いのあたりは、切なかったわ(T_T)。
例え人数あわせのためでも、Harryと行けた可能性があったということを知った時の気持ちは、切なかっただろうねぇ。
なんかRonもそういう話に疎そうだし、Weasley家は恋愛事が苦手??
あ、でも、Percyは彼女がいたか・・・(爆)。

・RonとHermioneの恋の行方
この巻では、Harry同様に、RonとHermioneにも恋のエピソードがありました。
RonはFleurにまさしく一目ぼれといった様相ですし、Hermioneは逆にKrumから好意を抱かれます。
ですが・・・この1冊を通しての本当の恋の流れは、RonとHermioneこの2人の間にあるのではないでしょうか?
Hermioneは、Fleurを見るRonに対していい態度をとりませんし、何より彼が自分を女の子として見ていなかったことに対してとても怒ってます。これまでHermioneはどちらかというと、自分が女の子だということをRonやHarryに気にしてもらいたくない部分があったように思います。HarryとRonが2人だけで分かり合ってしまうときなどに、'Boys!'などとつい言ってしまったあたり、そういう気持ちが表れていたように思います。だからこそ、今回のRonへの態度は、Ronに対する行為の裏返しかなぁなどと思ってしまうのですが・・・。
一方Ronについても、the Yule Ballのときや、KrumをかばうHermioneへの憮然とした態度から考えると、彼女のことを少なからず想っているように思います。
さて、これから先どうなるんでしょう??

・Weasley一家とMuggleグッズ2
前巻のRonの失敗に続いて、今回はWeasley夫婦そろって失敗してくれました(爆)。
お母さんは封筒の住所以外のスペースを切手で埋めてしまうし(しかもご丁寧に手紙の中に「これで足りたかしら?」とまで確認しているし)、お父さんは人の家の暖炉破壊してるし(爆)。
せめて、埃まみれになった部屋を魔法で片付けるくらいのことはしようよ・・・(そのほうがDursley一家は怒るだろうけど)。はっきり言って、あの舌が伸びるお菓子をDudleyに与えた双子と同じくらい迷惑なことをした気がする(笑)。
まあ、そのずれた感じが、Weasley一家のいいところなのかしら?

・House elfとGiants
Harry Potterの世界の中には、差別対象とされるものが複数出てきます。Dumbledoreはそれらの考えを一蹴しようと思っているようですが、これらの考えはかなり根強いようです。
まず第一にMuggleから生まれた魔法使いに対する扱い。そして、Werewolf(正確にはWerewolfになってしまった人間)、Giants。
この物語の中でこういった存在は、「世の中には理不尽な差別が存在するのだ」ということを知らしめる重要なキーになっているのではないかと、いかぞは思います。なぜなら、主人公と感情をシンクロさせて読み進めていけば、彼らに対する差別心がどれほど馬鹿げたものであるかがよく分かるからです。
ただ、今の状態でよく分からないのは、House elfの存在です。
彼らの行動に触れるとき、いかぞはHermioneが感じるのと同じ、居たたまれない気持ちを感じます。そして同時に、Harryなどが感じているのと同じく、彼らが「そう扱われてきたから奉仕することに喜びを感じている」のか、「はじめから奉仕すること自体を喜びとする生物である」のかが、これまでの段階ではよく分からないのです。
Dobbyの存在を異質なものとしてみるほかのHouse elfの目は、後者であるようにも思いますし、Dobbyの存在自体が前者であるようにも思います。
DumbledoreがDobbyに給料を払うことを簡単にOKしたのは、Dobbyの存在を受け入れているからであることは間違いないのですが、そのDobbyが本当の意味でイレギュラーな存在であるのか、それが実は自然な存在であるのかが、ここまで読んだ段階ではまだなんともいえません。 作者はこの内容についてもきちんと決着をつけるつもりなのでしょうか?
ストーリー自体とはまた別として、気になるところです。

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