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zoom RSS 【感想】HARRY POTTER and the philosopher's stone

<<   作成日時 : 2000/01/01 00:00   >>

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HARRY POTTER and the philosopher's stone
(邦題:ハリーポッターと賢者の石)


Harry Potter and the Philosopher's Stone
Bloomsbury Publishing PLC
J. K. Rowling
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1997年/イギリス/Bloomsbury Publishing Plc
著者:Joanne Rowling
表紙イラスト:Thomass Taylor

お気に入り度 ☆☆☆☆☆


story

「普通」であることを愛し、「普通」でなくなることを恐れる超普通主義である叔父のDursley一家に育てられた主人公:Harry Potter。何故か常に、とても「普通」とは言えない不思議な現象の付きまとう彼は、Dursley一家にとっては目の上のたんこぶそのものだった。
常に煙たがられ、自分を愛してくれる存在をもたない彼に、ある日手紙が届く。

"---親愛なるHarry Potter
あなたの ホグワーツ魔女・魔法使い学校 への入学を許可します---"

そう、彼は「普通」でいられるはずがなかった。彼は、魔法使いだったのだ。
こうしてHarryの不思議な冒険が、自分の知らない自分との出会いが始まった---!


まじめな感想

この本はまさしく、面白いの一言に尽きます。世界中に浸透した人気の高さを、なるほどさもありなんと思わせるものです。読み進めるほどに、ページをめくる手がもどかしいと思うほどです。
魔法のほうきに杖にゴブリン、トロール・・・。
この物語の中では、小さい頃から本の中で慣れ親しんだそれらの名前が、しかし「むかしむかし」という枠の中ではなく、今現在を舞台として自由に飛び回っています。普通、現代という時代にそのような「普通でない」ものを組み合わせると、稚拙な物語になりがちなものです。そこまでいかずとも、大人を(親として子供を媒介もせずに)読者として取り入れることは、まず難しいでしょう。
ですがこの物語には、そういった杞憂を吹き飛ばす力があると思います。
本当に、面白さに満ちた物語なのです。

では、この物語の持つその「力」とは、いったいどういう物なのでしょうか?

まず一つ目として、それは「リアリティ」であると思います。
前述したように「稚拙な物語」になりがちな舞台を、細かなディテールを書き込むことによって逆に、読者の想像力にその映像を実際に見せるかのごとく働きかけているように感じます。
Dumbledore校長が魔法で街灯の光を吸い込んでいくシーン。
暖炉から大量の手紙が吹き込んでくるシーン。
Quidditchの試合のシーン。
どれも、誰にとっても見たことのない情景のはずですが、読者一人一人の頭の中には(人によってどのように想像したかはまた別とは言え)、その情景がありありと浮かんでいることでしょう。
さらに舞台がイギリスであるということそのものも、その情景に現実感を与えるのに一役買っているかもしれません。いかぞは一度イギリスを訪れたことがありますが、ロンドンの古い建物は、確かにその壁をたたくと隠された扉が現れそうな雰囲気を持っていましたし、カムデンマーケットなどの普通のマーケットでも、魔法の小物のひとつやふたつは手に入りそうな雰囲気がありました。

また、心情の描写が細かいことも、さらに確固なリアリティを築き上げていると思います。
まるで目の前で少年が本当に生きているかのように、Harryは色々なことを考え、笑い泣き、そして悩み、恐れもします。
自分が心の底で本当に欲しているものを映す「鏡」に惹かれてしまう部分の描写は、その最たるものでしょう。けっして会うことの出来ない家族への慕情・・・文章からは、そのHarryの切なさがひしひしと伝わってきます。
これらの情景や心情の描写は、まさしく著者の手腕がフルに発揮されたというところでしょう。

さて、この物語の持つ二つ目の力は、視点の切り替えだと思います。
特別でなかった・・・いやむしろ、人より下の立場にいると思っていた自分が、自分の知らなかったほかの世界では特別な存在である。
これは、ある意味典型的なシンデレラストーリーです。
ただ、本当の意味でシンデレラストーリーではないのは、Harryがどんなに魔法の世界で立場を確立させても、元々育った「普通」の世界では、何も立場が変わらないということです。
しかし、魔法の世界と関わりを持った後、「普通」の世界での周囲の人間からHarryへの見方が変わらなくても、Harry自身は自分の価値を見出すことと、自信を持つことを覚えます。そして同時に、新しい世界の側からこれまでいた世界を見ることで、自分を認めない世界と一線を隔すことを覚えます(拒否という意味ではなく、認められないことへの許容とも言えるかもしれません)。これは、ある一つのものに対して、だれもが同じ価値観を抱かなくてはならないということはない、というメッセージに他ならないのではないでしょうか。
誰かにとって常識であることも、ほかの世界では非常識になり得る。Quiddichを全く知らなかったHarryと、Basketballを全く知らなかったWood。どちらが常識を持っていてどちらが非常識かなどということは、その人間がどこに属するかによって簡単に変わってしまう、相対的なものでしかない。
ここには、万人が横並びに似た人生を歩きがちな世の中で、その他の視点に立つことも選択肢のひとつなのだというメッセージがあるように、いかぞは思います。そしてこのメッセージは、子供にも大人にも、無限に広がる夢を与えてくれるのではないでしょうか。

このように、リアリティと夢溢れるメッセージを伴ったこの物語は、力強くスピード感溢れる描写で、読者を飽きさせる事なくそのストーリーを走らせていきます。
もちろん、いかぞが感じた魅力とは別の魅力に取り付かれた読者も、多数いらっしゃることでしょう。なにせそれこそが、活字を追うことの醍醐味なのですから。
そのような読者の「視点の違い」を加味しても、この物語がすばらしい1冊であることは、間違いないと思います。
まさしく、お勧めの一冊です。


雑記的感想

・読むまでが長かった
いかぞがこの本を知ったのは、1999年の終わり頃だったと思います。
その直後にイギリス版を書店で手に入れたのですが・・・ちょっと忙しくしているうちに読むタイミングを外し、2001年の春に「今度こそ読もう」と思ったにもかかわらず、Star Trek TNG-Genesis Waveを読み始めてしまったため、またまた読まず終いになっていました(情けないことですが、いかぞの英語力は洋書を複数併読できるほどには至っていないので)。
ここまでタイミングを逃すと、本棚の肥やしにしてしまいそうなものですが、いかぞの場合、運良く(?)もう一度「読みたい」と思う機会がやってきました。
2001年12月、映画の上映が始まったのです。
映画の詳しい感想はそちらのページに書くことにしますが、いかぞがかなり気に入った映画であることは間違いありませんでした。一緒に見に行った友人がすでに1巻を読み終えていて、「小説の方がもっと細かいストーリーがあって面白い」と吹き込んでくれてしまったおかげで、個人的に忙しい時期にもかかわらず、つい読み始めてしまいました(^_^;)
でもまあ、英語の勉強にもなったし、忙しさに拍車がかかるというよりはいい気晴らしになったので、まあいいか(^_^;)

・イギリスを思い返して
いかぞは感想にも書いた通り、イギリスを訪れたことがあります(イギリス旅行記参照)。
ほんの一月ほどの滞在だったので、あまり知ってるぞ的な顔をするのはお恥ずかしいのですが、それでもやっぱり、イギリスの話題に触れると懐かしさが溢れます。
King's cross Station自体は乗り換えなどで通り過ぎた程度なのですが、Padinton Stationなどからロンドン郊外へ出るために列車に乗ったことがあったので、なんとなくですが想像が膨らみました(^_^)
確かイギリスの地上ラインは、普通行き先が決まっていてもぎりぎりにパネルなどに表示されるまで、どこのホームから列車が出るのか決まっておらず、客は改札前のロビーで待たなければならなかったように記憶しています。
Harryはそんなほかの乗客を尻目に、あの大きなカートをひいて歩いていったんでしょうか?かなり怪しいかも・・・Dursleyおじさんが人の目を気にしてそわそわしたのも分かる気がします(笑)。
それにしても、こんなことならせめてKing's cross Station駅をじっくり見るくらいのことはしておけばよかったなぁ・・・(泣)。

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