いかぞ徒然。(tCoNS統合)

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zoom RSS 相棒Season14-10元日SP『英雄〜罪深き者たち』を観ました〜。

<<   作成日時 : 2016/01/02 23:49   >>

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昨日は恒例の相棒元日SPでしたね!
というわけで、久々の相棒感想です。

ですが、ちょっといかぞは真野さんの脚本にずーーーーーーっと合わないものを感じておりまして…
今回、昨日の感想というより真野さん脚本全体への不服を表す感想になりそうです。
っていうか、1回1回感想を書いてこなかったせいで、いい加減鬱憤が溜まっていて、どうにかしたいんです(汗)。

っていうか、今結構書いて、ほんとボロくそ書いてしまった…私、本当に鬱憤が溜まっていたんだな(笑)。

というわけで、批判感想が苦手な方、また、ネタバレが嫌な方は、以下回れ右でお願いします。
ちなみに、いかぞなりに根拠のある批判です。
批判には全て理由をセットにして書いてあります。

相棒愛ゆえと思ってくださいませ。







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というわけで、以下感想ですが。

ええっと、1回観る分には、お祭り回として楽しくは感じる話だった、とは思います。
ファンサービスは満載だったというか…

まあ、彼女が関わっているのはもう本の作り方から丸わかりだったので、全く驚きがなかったんですけど、その設定も悪くはなかったです。


しかし。
しかしですね。

正直、真野さんには相棒の主要キャラクターの進退を動かす話を書いてほしくなかった…というのが、全体の感想です。
元々、今回の脚本家とキャストを知った時にかなり不安になったのですが、不安的中という感じでした。

これまでの真野さんの作品を観て抱いた印象は、「この方はドラマチックな展開を作ることは得意だけれど、バックグラウンドを作りこむ力もしくは知識がない」というものでした。
そして、何だかよくわからない大きな組織とか大きな力が大好きという感じ。
でも、何だかよくわからないものは作ってる方もよくわかっていないままなんじゃないかなぁと。

また同様に、論理的思考を作りこむのが苦手、という印象もありました。
社会にある組織がどう動くのか、人は何を動機として動くのか、そういったものが書けない(もしくはまだ書く力がない)方だ、という印象です。

なので、犯人も、関係者も、捜査で動いている人間すらも動機が弱い。
なので、きっかけも下手。



まず、組織についてですが。

何度も言いますが、この方、「何か大きな組織が暗躍する」っていうシチュエーションがお好きなんだと思うんですが、その「大きな組織」のバックグラウンドを作りきれないのか、リアリティがものすっごく薄いんですよ。


例えば今回の鞘師についての部分。

「外交官特権を持っているから手出しができない」っていうケースはよくあることですが、でも外交官特権って、その出す側と受け入れる側両方の認証が必要ですよね?
しかも、相手に犯罪の関与とかがあればペルソナ・ノン・グラータ発動できるんじゃないんですか?
発動されれば、出国前であれば一般市民とみなすので、普通に拘束できます。
日本はサルウィンの腐った軍部と微妙な関係にあるという設定はありますが、「単純に犯罪加担者個人を認められないだけ」という建前ができるはずです。
実際過去にも、これは発動されたことだってあるんですから。

入国前にテロ計画が分かってはいなくても、組対5課の角田課長だって情報をちゃんと持っているくらいなんだから、元暴力団としてたとえ国籍が変わっても入国管理局だって情報を持っているんじゃないですかね。
しかも、鞘師は元暴力団のトップで、かつ「カタギに手を出した組員を殺した」ことに少なくとも関与しているんですよね。直接殺人として逮捕されたわけではなくても。
かつ、数年前に警察の手が及ぼうとした時に出国したんですよね。
「この人外交官です」と言われた時点で、「元暴力団で過去の犯罪関与が疑われ、今後についても犯罪傾向がある人なので、外交官とは認められない」と、法務省から政府に通して発動できるんじゃないですか普通。

警察、政府、法務省3者をせっかく出したのに、当然の対応が出てこないのっていかがなものかなと。
そもそも冠城さん自身法務省の人間なのだから、仲の良い上司を通してその辺りまで言及すべきなのに。
ただ、「外交官特権で手が出せない」という都合のいい設定だけを使いたかったようにしか感じませんでした。

それぞれが、仕事をしている感じがしなかった。
鞘師という存在があると仮定すれば、それぞれの省庁や政府に所属している人がどう動くか、一人一人の仕事を仮定すればもっと全員パラレルに動いたはずなんじゃないでしょうかね。

もしペルソナ・ノン・グラータが発動できないならば、それはそれで雛ちゃん側に政府としての理由を作ってそっちを追うこともできるし、できるならば入国した後からの攻防が作れたはず。
それはストップがかかったということが冠城くんから右京さんに伝われば、甲斐父経由で総理に話が通るとかのストーリーだってできたはず。

でも、単純に「外交官特権って手が出せないんだよね」っていう浅い設定だけ。
昔はともかく、今の日本ってそこまで犯罪に対して穴だらけの国じゃないだろ、と正直苦笑いしました。
穴があるなら穴があるで、これまでならちゃんと深追いしたうえで無理だったのに。

最後あの終わり方をすること自体はまあいいとしても、本多・鞘師・過去の少年たち、3つの報告からパラレルに捜査を進め動機を追及したりテロ行動を阻止しようとしたりする流れを作ることも出来たはずなのに、なぜどの方向もほとんど進めずに、最後犯人が「実はこうでしたー」と言うだけで済ませるようなストーリーにしたのか…。

右京さん自体が、「なんか大黒さんの件が関わってそう」くらいしか突き止めずに船に乗っちゃっただけっていう。



ファンタスマゴリにしてもそうです。
「元警察が、逮捕できなかった大物を潰すために犯罪に手を染める」というシチュエーションはかっこいいです。
でも、「警察をやめた後、うまく相手の信頼を勝ち取って懐に入り込みました」っていうのも、「よくわからないけれどネット関連でマネーロンダリングができる、すごいけれど実は穴があるシステムを作って罠にかけようとしました」っていうのも、ほんの一言の説明だけで説得力がないんですよ。

そのどちらも、現実では実行がものすごく難しいものです。
話を持って行くには投資関連の会社を立ち上げる必要があるけれど、今回使うシステムがある以上、IT系の力も必要です。外注で済ませたら、穴があれば作成側から上がってくる可能性がありますし。
投資の流れ側に穴があるのか、プログラム側に穴があるかの設定もないので、どう穴を作るシステムを作ったのかも説明がない。
つまり、どちら側をどの程度彼が掌握できているのか、片方の会社を作っているだけでもものすごい力が必要であるはずなのにどうそれを成し遂げたのか、その上でどうやって敵の懐に入りこんだのか…

それが、セリフでちらっと数年前に犯罪に手を染めたから信頼を勝ち得たっぽい、くらいの説明しかない。

それなのに、どうやってそれを実現したか、が作りこまれていないのですよ。
頑張ってそうなりました、の一言で済ますということは、つまりおそらく作った時点で「詳細は決めてないけれど、すごい人はそんなすごいことをやってのけるっていう設定です」みたいな実のないものになっている。

その穴がどんな穴なのかも設定されていないので、右京さんにまで「穴があることが分かったので2課が動けました」みたいなふわっとしたセリフしか言わせられない。

都合が良すぎて、まあ普通無理だけど、フィクションだからね、という印象しか感じないのですよ。
そのせいで、社会派にもならなければミステリーとしても成り立っていないんですよね。


2045のほうが、今の技術で現実に実現するかどうかは分からなくとも、「AI技術の発展で、分散化システムを利用した自我ともいえるものをもつシステムが存在する」という状況は仮定としてリアリズムを与えることができています。たとえSFチックであっても。

消える銃弾だってイカだってそうです。
本当に殺傷能力があるかどうかは疑問があっても、技術としてあるという仮定を、ストーリー内での証明とともに作り上げたから、説得力があるんです。

相棒は本当のリアルからは離れている設定なんていっぱいあるだろうけれど、でも「本当に起こりそう」とか「本当にこういうことがある」を微妙なラインで行ったり来たりするから、リアリティに溢れていてスリルがあるんだといかぞは思うのですよ。

何だかよくわからないけれどこういうものがある、は一番やってはいけないことだと思うのですよ。


例えばSeason1の閣下の件では、彼女は閣下のから事実を引き出すため、ボランティア団体で顔見知りになり、家族がないという不幸をうまくアピールし、懐に入り込んでいきました。
そこに嘘がないので、遠回りで地道な作業でも、しっかり存在の下地があるんです。

でもこのファンタスマゴリでは、その下地を見せるシーンが全く無い。



ストレイシープでもそうです。

「組織として成立していないから尻尾をつかめない犯罪の天才」という、現実感のない存在。
そもそも、組織だっていないはずなのに「その人の代わりに現れた男」の言うことを聞いて命令できる系統が存在するということは矛盾しています。

彼を迎え、彼のために動きますと言った人はすでに仲間という組織であるはずですよね。
その人が「自由に動かせる人」も協力者という形の組織なわけです。
そして右京さんを攻撃した人たちだって、少なくとも、上を認識して組織だって動いている人たちでしたよね。

完全にアノニマス状態で動いているというのは、序盤の白いダンス団体やバイク男みたいなものだけだと思うのです。
Season7のSNSの話(陣川くんと達磨船に閉じ込められた話)のような犯罪行動が、お互いがアノニマスの状態で起こる犯罪であるはずなのですよ。

でもこの話では、結局トップがある程度組織だってしまっている。
それなのに「なんだかすごい」っていうところが「実現する方法は知らないけれど、警察も尻尾をつかめないすごい人がいるっていう設定」と押し切ってしまっていて、現実感がまるでない。



ある相棒の死でもそう。

警察の暗部を描きたいのは分かりますが、いくら色々不祥事を揉み消すことはあっても、県警で殺人をもみ消すとかおかしすぎるでしょ。
これまで、北さんとかカイト君の元上司とか、不祥事話はありましたが。
個人特定できないように必死に自分たちの存在を隠し、明るみにならないように証拠をなんとか処分しようという当然の流れでした。
バレたら身の破滅というその必死さが、緊張感を出していたんです。

でもこの話、おもいっきり顔を出して、「殺人に目をつぶっているけれどもみ消されるから大丈夫なんだ!」ってどれだけ馬鹿なの。相手が警察なら誰にバレてももみ消せるからOKっていう考えはおかしいでしょう。
しかも、右京さんたちが現れる前に冠城さんに顔を出すということは、あの状態で冠城さんを消す気があるということですよ。
幸子さんの脱獄事件の時だって、「自分たちのことがバレないように相手を消す」という行動をとっていた、というところが重要だったはず。
それが右京さん含め、自白かというほどペラペラ喋って、「お前たちは組織の人間だろう!」って。
昔の時代劇じゃないんだから…。

まだ、殺人が起きたようだと気づきつつも、知らない顔をして金に関する不祥事を隠すために動いていた、というのならば納得がいきますが。
そしてその場合であれば、トップはあんなに堂々と顔を出すべきではないはずです。

…単発としては、まあまあ面白かったんですよ。
でも単純に、なんか突然(動機は薄いけど)こんなことが起こる!うわあびっくり、の繰り返しが面白く感じるだけで、昔のドンパチメインの刑事ドラマみたいな面白さなんです。
刑事貴族でのエピソードだったら面白かったかも、とは思うんですよ。

相棒としても、1シーズンに1回位単発でこういうのがある分には、まあたまにある「舞台もの風」という話があるのと同じで、「刑事ドラマもの風」というストーリージャンルとしていいのかも、とも思いますが…こう、1シーズンに2〜3回入れられると、相棒の世界観が崩れていくようにしか感じません。
ましてや、メインキャラクターが動いてしまうと余計に。


まあ、真野さんの回だけでなく、秘密の家でも、これまで警察組織として1発の銃弾を撃つことを重大な出来事として扱ってきた相棒世界に反して、犯人を追跡するときにまっすぐ犯人に向けて撃つというびっくり場面が登場したりしてるので、制作側で変な流れが起こっているのかもしれませんが…。
…今後右京さんに銃を撃たせたりしないでしょうね。



過去話ばかりなってしまいましたが、今回の話に戻って。

組織から、個人の話へ。
キャラクターの行動動機がおかしい部分が多すぎました。


まず片山議員について。

まあ、一番の突っ込みどころは「爆弾の成分が一致したから本多と鞘師がつながっている証拠になると?」って雛ちゃん、物証なんだからなるでしょうそれ。
そういう化学製品は、作られた工場などによって成分に差があるって、過去にも出たでしょうに。
なんで誰も突っ込まないんだ。

雛ちゃんは、真野さんが書いた以外で今まで描かれてきた人物像だと、一番小野田さんに近いタイプなんですよね。
一本筋の通った信念・正義と、野心。
「周りで犯罪が起こる度に大きくなっていく」と右京さんに称されたのは、周りの愚かな行動や起こった犯罪を自分の都合のいいように曲解させ利用していく、という意味だったはずです。
だからこそ、自分では手を汚さない。短絡的な行動が、一歩間違えれば自分の首を締める結果になることが分かっているから、行動の結果に起こる失敗が致命的になる可能性がある場合は、必ず逃げ道を残す。

苦い水のときは、自分の逃げ道を作ってある分それなりに雛ちゃんらしかったのですが(あれは元カレの行動が矛盾だらけで気持ち悪かったですが)、今回はちょっと微妙。
だって、今回のテロだけでなく、本多を釈放した事実が明るみになる二重の危険性があったんですから。

彼女が、おそらく本多が射殺されるであろう選択をしたのは、理解できます。
責任の所在を、専門家ともいえる小野田官房長にうまく丸投げに出来たはずのテロリストとの交渉が、彼の死によって自分で受けざるを得ない状態になり、結果殺人事件まで起こった。

全てを隠蔽するために、「書類上すでに刑が執行された」という理屈のもとに本多を娘とともに釈放した(実際、絞首刑を受けて奇跡的に死ななかった場合、もう一度刑が執行されることはないと聞いたことがあります)。
が、その結果、今回の事件が起きた。

この段階で、本多を新しい別名で逮捕したとして、顔が出てしまえばおしまいです。
最後に本多がメディアの前に顔を出したのは5年前。容貌も変わっていないんですから。
理屈をこねくり回した結果であっても、死刑囚を自由にしたとなれば世論は黙っていないでしょうし、過去のテロリストとの交渉も表沙汰になって問題になったでしょう。
彼女にとって見れば、官房長官の総理就任の成否よりも、本多をこの後永遠におとなしくさせておくことができる手段は何か、ということが一番重要だったはずです。

もし右京さんの言うとおり本多に何かただのテロではない理由があったとして、彼が目的のためなら攻撃的な手段を取る人間であるということにはなんら変わりはない。
今後またいつ、彼なりの正義とやらを動機に、同じような事態を繰り返さないとも限らない。
いつまで、何度繰り返されるのか。それはさすがに雛ちゃんに、強い焦りと苛立ちを与えたはず。
だから永遠の解決手段として、今回の方法は「良い手段」ではあったように思います。

ただ、そこに至る経緯がよろしくない。

彼女の賢しさは、「手を汚さない」ところにあるはずなんですよ。
あそこは、爆弾を見つけたことを自分で口止めしたら、首謀者が彼女になってしまうんです。
たとえそちらが勝手に進んでも(そもそも雛ちゃんは右京さんが気づかずいられると思う人でもない)、どうしても彼女の理想通り動いてしまう…そういう流れを作る人のはずなんです。

これまでの彼女なら、爆弾を見つけた報告が船に渡るとほぼ同時点で、ちょっと席を外した雛ちゃんが個人的に官房長官と連絡を取り、「でも困りましたわ…ここまで騒ぎが大きくなってしまって。このまま本多を確保しても、彼が生きていたことが外に漏れてしまうかもしれませんわね。」とか、彼の名声を上げることがついでにできることも匂わせつつ誘導したでしょうに。
雛ちゃんの責任のもとに、本多関連の一連の出来事が表沙汰になれば、総裁選で組んでいる彼の進退にも大きな影響があります。雛ちゃんならもう官房長官もいっそ切るつもりで、その部分を逆手に取って勝手に動くよう仕組んだはず。
なのに何あの直球。

それにこの雛ちゃんチーム+警察関係者の会議、座ってるだけで何もしてないじゃないのよ(笑)。
雛ちゃんは、使える人は何でも使うタイプです。
右京さんの力はよく知っている。爆弾解除の時点まで、右京さんが勝手に動き本多の件を解決しようとしても、彼女にメリットはあれこそデメリットはなかったはず。

もしデメリットが有るとすれば、大黒議員の件で確実に官房長官に後ろ暗いところがあったという証拠がどこかに存在する場合でしょうが、あくまで大黒議員の失脚は「噂」によるもの。13年経ってそれを証明することなど不可能だったはずです。
それを堂々と跳ね返す手腕が雛ちゃんになかったとは思えません。

それなのに、無駄に右京さんを東京まで連れて来て、あなたには関係ないと言うだけとか意味不明です。
何しに連れ戻したの、あれ。

彼に好きなように動かせて、情報を取れるだけ取り、邪魔になれば圧力をかけるのが普通でしょうに。

正直、もしこの後退場するエピソードが必要になるとしても、今回官房長官が勝手にやったことに巻き込まれたという形で責任をとって辞めたことを潔しとして、再び選挙で再選し、きちんとしたエピソードをもう一度入れ込んでほしいです。
これで退場はないわ。



次に、右京さんについて。

まず、海で何してるの、っていうのが今回一番の突っ込みどころではあったんですが(笑)。


右京さんは、プレシーズンから一貫して変人として扱われています。
そして、なにより特徴的なのが、捜査一課や亀山くんと異なり、「刑事の勘」や「心象」で動かないのです。

では何で動くか。

右京さんは、小さな違和感から「その人の通常であれば取らないであろう行動」を見ぬく、もしくは「通常起こりえない現象から理由を探る」ことで論理的に真実に近づくんです。
それらは最初、情況証拠にすらならない小さなレベルです。それをきっかけに動くから、他人には理解できず(神戸くんとカイトくんはそこそこついていっていましたが)「変人」と見えてしまう。

他の人にとっては矛盾と言えないような小さなことでも、矛盾を感じ理由を探るというのは一貫して論理的な思考であって、勘でも心象でもありません。
右京さんは「まだ何があるかわからないけれど調べている」時も、闇雲に調べているのではなく、「疑問に思ったことが事件に関係があるという確証までは持てないけれど、謎のままでは気になってしまうので調べる」のです。

ですが、今回序盤、右京さんの行動原理になっているものがありません。
唯一見つけたものは願い石ですが、「これが鍵になっている」というだけの根拠がなにもないんです。

しかも、他にはお仲間の足あと以外に何も掴んでいない。
写真を見て「仲は悪くなかった」と確認した程度です。

まだ、冠城くんに「いえ、本多さんの家では特に何も見つけられませんでした…強いて言えば、これが気になってはいるのですが」と石について考える、という流れならば分かりますが。

願いとは何だったのか、5年前の2人から考えれば、安寧の生活だったのか。
それとも、マリの快癒を、もしくは苦しみの緩和を祈っていたのか。
しかし本多がもし今でも石の片割れを持っているのであれば、まだ願いは継続中なのか…?

この状況では、そんな風に、思考のヒントになるかもしれない、程度のものだったはず。

いきなり「鍵」と断言するほど石にこだわる意味も分からなければ、それを鑑識に持っていく意味も分からない。

鑑識は、そこから成分なり、血液なり指紋なり、何らかの科学的証拠を見つけ出す場所ですよ。
あの段階で、鑑識から得たいと思う情報は何一つなかったはずです。

完全に、他に米沢さんを出す場所を作れなかったから、むりやり石を持っていく場面を作った、という感じでした。

普段、こういう風に「調べてもらうつもりじゃなかったけれど、偶然情報をもらう」という場合には、右京さんが鑑識部屋を訪れる他の用事がある時なんですよ。
チケットを渡すなり、CDの貸し借りをするなり、他の件について話を聞きに行くなり。

今回は、そういう正当な理由が全くありませんでした。
それならそれで、特命部屋で石を見ながら思考にふける右京さんのもとに、別の用事の米沢さんが現れれば済む話だったんじゃないですかね。

それに、ラピスラズリ(瑠璃)ってかなりメジャーな石ですよ。
右京さんが知らないとは思えない…
しかも、ラピスラズリが中南米で取れるから本多が持ち帰ったもの?
いや、成形してないパワーストーンとかそこら辺の雑貨屋ででごろごろ売っとるがな…。


そして、何より本多がテロを行うはずがないという根拠が、過去のセリフのみにしか置かれていない。
「人は時に理屈に合わない行動を取る」「善人でも間違いを犯す」。そんな風に、誰をもが犯罪を犯す可能性があることを否定しない右京さんらしくないです。

この5年で、何か国への酷い絶望を感じ、テロリストとして再び行動することになったかもしれない。
マリとの別れが近づいて、狂気に溺れたのかもしれない。

その可能性も捨てない一方で、過去の言葉も「そうではない」という仮定の根拠の1つであるから、であればその仮定を立証するために動く。
それが右京さんだと思うんですがね。

テロの可能性を持ちつつも、彼の5年間を追い動機と目的を探っていく…現地にいる以上右京さんが普通起こすであろう行動はこれだったと思うんですが、今回は7割方現状に流されたようにしか感じませんでした。

まあ、船に乗った後は、1人では動きようがない場面の連続でもあったので、限界はありましたが。
普段の右京さんの能力であれば、事実であろう仮定をある程度立てた上で「本多が船に乗り込む可能性」を考えて同乗しただろうに、なんとなく乗ってみました感が強すぎて、行き当たりばったりの話としか受け止められませんでした。

大黒議員の過去の活動や、13年前の噂の詳細の聞きこみの場面も無し。
小さな街だったんだから、たった1人の元秘書以外に、関わりがあった人物なんていっぱいいただろうに。
選挙事務所に働いていた人を尋ねることもしないのか。
他に彼の元を訪れていた子供を探すこともしないのか。

そして海を歩く。

幸子さん女将就任回よりも、右京さん最大のスランプに見えましたよ。



それと、大黒議員。

「普段は堅物だが子どもたちに対して慈愛のある人物」であり、政界にいたような人間が、自分が貶められたからといって、子どもたちに復讐を誓わせるような死に方をしますかね。

その死に方の時点で、人物像に疑問を持ってしまうんですよ。
本当は、結局この人も身勝手な人だったんじゃないの?と。

自分の場所がここしかないと思った子どもたちにとって、大黒議員は失意の元静かに自殺しただけでも、復讐心を持ったはずです。どちらかといえばそのほうが説得力があったはず。

しかも、議員として力を持っていたくせに、虐待された子どもたちの生活がきちんと改善されていない状態で、ただ小屋で遊ばせていただけ?
13年前ならすでに児童虐待防止法が成立されてますよね。
小さい町でのことだし、議員ならば関与が十分でない児童相談所にもっと圧力をかけて根本的改善を促せたんじゃないですか?
二の足を踏んでいた児童相談所に保護をするように力をかけても、この場合問題にはならなかったはず。

ましてや、まだ児童相談所が認識していない虐待児については、通報義務もあったはず。
なんでただ梨だの芋だの与えるだけなのよ。
なのに、通報がされた形跡もなく、児童相談所は結局彼女が誰だかも分からないままスルー。
学校に通っていたら、小さい町中の全ての学校に問い合わせれば分かったはずだし、学校に通わせられていないほどの虐待なら確実に保護レベルですよね。

そもそも、人一人が消えるだけでも大事なのに、子供が消えて、かつ誰だか分からないまま他の家の養子になるとか…設定として無理がありませんか。
しかも、養子になって元の町に帰ってくる?
性別を勘違いされていたから可能だった、と言いたいんでしょうが…学校に通っていたら(以下同文)。

しかも、男の子の方は、10歳位で13年前に消えて、どこかに身を隠して、海外のヤクザに連絡をとって復讐に手を貸してもらった?
え、それまでは?どこに潜伏してたの?どうやって生きてたの?
無理がないですか??


これは死命のママにも言えることなんですがね…

カルト的に心酔した相手の言葉を聞いて、殺人まで犯す。
それはあり得ることだと思うのです。

時折聞く、洗脳というものですよね。

でも、その洗脳に至る手段(どう拾われてママと慕うようになったか)が、「居場所をくれた」の一言だけの説明で、映像として全く示されておらず、説得力がなかったんですよ。

カイトくん記憶喪失話では、即身成仏を実行した人への愛情や尊敬が、会話のなかで説得力を持って存在していました。
でも、死命では「だってママの言うことは絶対だから」という設定説明のセリフしかないんですよ。

殺したくない、でもママは裏切れない。
その間にはきちんと描かれれば、苦悩と狂気が存在したはずなのに、全然それがわからなかった。



今回の本多たちの行動についてもそうです。

今回の「テロ」の目的が、若者2人が納得の行く程度の復讐を果たし、かつ破滅的になっている2人の命を救う。

でもそれなら、なぜ「東京の」テロを一旦装う必要が?
今回本当に「テロ活動」だという説得力を与えるため?

でも、伊丹さんが偶然ヒントに気づいたけれど、「過去の思い出」が小野田さんに結びつくという論理的理由はなにもなかったですよね。
完全に刑事の勘で思いついてくれたからいいけれど、他に仲間がいない以上、自動運転も起爆も状況を見ることが出来たうえでの遠隔操作ではなく、携帯を利用したか時限装置だったはず。

気づいていなければ、本当に無辜の命が犠牲になってましたけど?
本当に犠牲を出すつもりがなかったならば、無線傍受するなりすることで、伊丹さんたちがついたタイミングでスイッチを入れるという手段を取るしかなかったし、そうであればその描写が必要であったのでは?

そもそもからして、直接対決みたいな危ない橋だけに手段を絞るより、(本当に爆発しなくても)テロ行動予告で市民を人質に脅して、官房長官ご指名で交渉を呼びかければ、彼が失脚する可能性が高くなり効果的だったのでは?

元々大事な人を「噂」で殺されたようなものなのだから、失脚への道しかないような戦略を取って、暴力的な直接手段は取るとしても最後に取っておけば、もっと実のある計画になったんじゃないですかね。

歴戦のテロリストと親分さんが手を組んだ割に、計画が稚拙すぎません?

そもそも爆弾のスイッチもおかしいですし。
あの形状、携帯とかじゃなく無線スイッチじゃないの?

ある程度の近距離じゃないと起爆できなくないですか?
それとも、高周波で長距離まで届くとか、携帯の通信技術を中に入れ込んだとか、なんか高度なの?
(そんな見た目には見えなかったけど)


と、今回と過去話と上げればきりがないんです。
1時間のエピソードならまだ我慢出来ていたものを、2回のスペシャルでいい加減限界が来ました…
エピソードに当たり外れがあるのは、昔からですけれども。
面白いかどうかだけにとどめて欲しかった。矛盾は断固断る。

ここまでうわーっと思ったのって、過去なかった気が…
あ、誘拐協奏曲はダメだったかな。櫻井さん脚本でしたが。
あれは、舞台風にとどめてくれていたら普通によかったのに、最後ロケなのに絵を持って行ったり紅茶を頭蓋骨にかけたりするあたりでなんか気持ちが冷めちゃったんだった(笑)。


ちなみに、最近新しく多く作品を書かれている脚本家の方で、いかぞ的に面白い話を書いてくださっているのは、金井寛さんです。
ほとんど矛盾がないので安心して見られます。
秘密の家の発砲シーンはあれでしたが。

特にママ友はよかったなー。

あと、ミステリー色は薄いですが、やっぱり輿水さんの脚本は安定して面白い。
最近精神科を学んだばかりだったので、キモノ奇譚は特によかったです。

あと、1話のフランケンシュタインの告白は、タイトルが結末を示していたというひねりが良かった。
フランケンシュタイン、つまり怪物を作ってしまった罪深き博士。
つまりは…っていう話でしたからね。
心情と真情を深く描く話は、やっぱり輿水さん脚本は面白いです。


カイトくんシーズンは、ミステリーを本格的に書いている話が多く、満足感が強かったのでよかったんですけどねぇ。
新相棒が出た1年目はキャラ紹介色が強くなって、1話1話の話は深いものにならないという傾向は分かっていたので、その方面では期待していなかったのですが…

矛盾を生じさせたりキャラを壊すことだけは本当にやめていただきたい。
それなら、簡単な話や、一時期多かった秘密の暴露で押し通す話のほうがまだマシです。



あーーー、書いた書いた。
すっごい長文(笑)。
毎回書いていなかった分、鬱憤が溜まっていたんですねぇ(笑)。
ここまで文句ばっかり書いたのって、過去あまりなかったんじゃないだろうか…。

あ、でも今シーズン全部に文句があるわけではありませんよ。
真野さんの回にいちいち引っかかっていただけです(酷)。


今回も、まあお祭りネタ部分は面白かったですよ。

右京さん強い!っていうのがまあ一番でしたし。
「手加減する余裕がなくて申し訳ない」ビリビリ!にならずに倒してましたし。
頸動脈絞めて落とすという危険な技(笑)。

三浦さんは格好すげぇと思いましたし。ほんと、ただのお祭りレベルの登場で拍子抜けでしたが。


今シーズン自体には…そうですね。
冠城くんというキャラクターは面白いとは思っています。
反町さんは嫌いじゃありませんが、キャラクターとしては好きじゃないかな。
鬱陶しいので(笑)。
まあ、相棒という世界に現れたこと自体はいいのではないか、と思うキャラクター設定ではあります。

ただ、普通の事件になんとなくついてくる、という流れには無理を感じていますね。
警察官ではないので、事件現場(初動段階での)で一緒にウロウロする必要性を感じないので。
いらない人がいる、という状況は、簡単に矛盾を生み出すので好きではないです。

1・2回や今回のように、自分の立場で動くというパラレルな流れだと面白いとは感じています。

その考えのもとで、彼には1年でいなくなって欲しいという気持ちはありますね。
ここまで観ても、どうしてもお客様であって相棒にはなれないと感じてしまうので。

精神的な相棒になる可能性はあると思うし、それはなってもいいと思うのですよ。
でも、右京さんが警察官として信念があるように、認め合う相棒となるのであれば、冠城さんにも法務省の職員としての信念のもと動いてほしい。

警察官でない以上、亀山くんやカイトくんのように、右京さんが育てる・叱るという状況が作れません。
であれば、神戸くんのようにお互い別個に立っている存在であるということです。
それなのに、太鼓持ちのように興味本位だけでついてくる、という流れをずっと続けられると、その状況に矛盾を感じてしまうので。

今シーズンの最終回で、そこを矛盾ない落とし所に落ち着けてくれないと、このまま2シーズン目はきついかなぁと思います。

いっそ、幸子さんと恋愛関係になって、陣川くんみたいに時々何かで事件を持ってきつつ、自分は関係のない事件では情報を持ってくる、みたいな立ち位置のほうが面白いと思うんですがね。
まあ、名前のある俳優さんだから、そういう立ち位置の準レギュラーは難しいのかなぁ。

あと、ちょっと声を変えたりとか「右京さーーーーーん」とかが鬱陶しいのでなんとかならんものか(笑)。



あ、幸子さんといえば。

去年のストレイシープあたりとか、ネット上で、右京さんと幸子さんが恋人同士になる説とか結構見ましたが。
いかぞは、それは絶対にないと思っています。

まあ、単純に、恋愛に不器用な右京さんが、今更たまきさんとの関係がゼロになるなんてありえないと思っているというのもありますが。

あの花の里、どう考えてもたまきさんが持ち主だと思うのですよね。

幸子さんは、出所後それなりに待遇の良い職場で働くことができていましたが、店を開くだけの貯金があったとは思えません。
都内のそれなりにいい立地の店です(桜田門から部下を誘って簡単に行かれる場所)。
まともに個人で借りれば、家賃も高いでしょう。
最初の契約時点で、まとまったお金が必要であったはずです。

それが、右京さんがお誘いをかけただけで始められた。
しかも、店舗の中身はたまきさんが使っていたまま、店の名前もそのまま。

もし誰か建物のオーナーが別にいて、たまきさんは借りただけだとしたら、いつ戻るかわからない以上、店舗の賃貸契約は解除したことでしょう。
それなのに、右京さんの口利きだけで初期費用がほとんどかからない状態で開店までこぎつけられたでしょうか。
そもそも、初期費用が大きいのであれば、右京さんが簡単に幸子さんに誘いをかけることもなかったはずです。

また、外からの映像を観た限り、店舗は小路沿いにある小さな建物です。
おそらく、せいぜい2〜3階建て。
また、過去に右京さんのわがままを聞いて朝ごはんと作ったりという対応も直ぐにできた。
盲腸で倒れた時も、店のお休みの紙をその日に出して運ばれていくことが出来た。

これは、店舗と同じ建物内にたまきさんの住居がある可能性が結構高いのではないのでしょうか。

さらに、右京さんは幸子さんが女将を始めた後、「持ち主も喜んでいる」と言っていました。
それがたまきさんだからこそ、右京さんの気持ちも汲んで喜んだのだろうし、「花の里」というの思い入れのある店舗名(花は右京さんが姪として可愛がる親戚の名前)が自然に受け継がれたのではないでしょうか。

右京さんが持ち主、という可能性もゼロではありませんが、その場合幸子さんは遠慮するでしょうし、なによりこれまでたまきさんが働いていなかったのではないかと思います。

右京さんとたまきさんが離婚をしたのはたまきさんが言い出したから。
前も書いた気がしますが…右京さんは多分、仕事のことは心配しないで的な態度取りそうだし、しかも食事は食べてくれなかったとたまきさんも言っていたから、家族としてではなく、「私は自分で勝手に生きます、近くでお店を出すから食べたかったらいらしてくださいね」っていう環境を作ったんじゃないかなぁ。

家族として心配したり料理をつくると遠慮されるから、関係のない他人が心配しようと勝手でしょ、っていう。
たまきさんって独立した強い女性だし、右京さんをよく言い負かすから、そういう右京さんが反論できずに甘えざるを得ない状況を作ったのではないかなぁと。

だって、初期の店舗名って新・ふくとみですよ。
別れて何年も経ってから、右京さんと関わりの深い「花の里」という名前にしたんですよ。
右京さんのためのお店じゃないですか。

と、店の成り立ちと持ち主を考えると、幸子さんとの恋愛はありえないなぁと。
でないと、元妻のお店に愛人働かせている人みたいになってしまう(笑)。

ちなみに、たまきさんがいなくなったのはまあ中の人のご事情ですが、いかぞ的には、亀山くんとの関係を経てもう大丈夫になった右京さんを見て、そして多分あと10年もしないうちに定年になったらきっとその後一緒にいるんだわとか考えて、今くらい好きなコトしちゃおうかしらなんて思っちゃったんじゃないかと勝手に妄想しています。
それが一番、ありそう(笑)。



なんか毒ばっかり吐いたので、最後の方はほんわか妄想で締めてみました。

しばらく感想をかけていませんでしたが、相棒熱が全く収まっていないことは分かっていただけたでしょうかね(笑)。
普通に数えると、右京さんは今56歳とかですかね?
プレかSeason1で42歳設定だったはず。
神戸くんあたりのシーズンでちょっとずれた気がしますが。

ただ、今シーズンにちょっと20年前に2課にいたみたいなセリフがどこかにあった気がしたんですが、あれはまあ10年間違えたんだろう多分。
14年前の15年前に特命係ができたんだから、30年前ですよね?
そこまでサバを読まれても困る。

まあ、普通に数えて、あと4年。
国家公務員なので、定年退職後の再雇用とか延長雇用とかの制度があるはずなので、ある程度無理矢理続けることも可能かなあと思いますが…警視庁が嫌がっても、所属は警察庁だし、そちらで人事を動かせればなんとか。

中の人は60歳超えていらっしゃるので、限界はあるでしょうが。
矛盾なく、長く続いてほしいなぁ。

もういっそ、杉下右京の事件簿シリーズでもいいよ…


それではまた。



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